西洋から台湾に、そして世界に広がる台湾式足つぼ
こんにちは、台湾式足つぼセラピスト万里子です。
前回は足つぼ・リフレクソロジーの世界での成り立ちについて書きました。学問としての発祥がアメリカだったのは意外でしたよね。
アメリカの理学療法士インガム女史の弟子たちによりヨーロッパへ渡ったリフレクソロジーはイギリス、ドイツ、スイスなど西洋の各地に広まりました。
そして、ちょっと意外なルートで台湾へと伝わっていきます。
ヨーロッパから台湾へ
1970年、スイスから台湾の台東にキリスト教の宣教師ジョセフ・オイグスター神父が赴任します。
彼は慣れない地での布教活動の末、膝のリウマチを発症してしまいました。
膝の痛みに苦しんでいた時、スイスにリフレクソロジーを普及させたヘディ・マザフレ女史の著書「未来のための健康」を手に入れます。
その本に書かれていたリフレクソロジーを自らに実践したところ、なんと、見事にリウマチを完治させてしまったのです!
感激したオイグスター神父は布教の一環として、台東の人々に無料でリフレクソロジーを施します。
そしてその効果が噂で広まり、彼に教えを請いたい台湾人が台東に集まり、やがて台湾全土にリフレクソロジーが広まります。
台湾式に改良されたリフレクソロジー
中医学(東洋医学)の医師との共同研究を経て、オイグスター神父のリフレクソロジーは台湾独自のものへと変化していきます。そして、彼の台湾名「呉 若石」にちなんで「若石健康法」と呼ばれるようになりました。
アメリカ発の西洋医学の理論に、陰陽五行(バランスを良くする考え方)や、気血水の巡りを整えるといった東洋医学の要素が融合され、「台湾式リフレクソロジー」は新たなジャンルとして東洋に広まり、いまや世界中で愛されています。
痛みに強い台湾の人々によって「多少痛くても効果がでる方が良い」と、西洋式の優しいタッチから次第に圧が強めになっていったのも特徴のひとつです。
若石先生ことオイグスター神父のその後
オイグスター神父は海外赴任を命じられ一度は台湾を離れることになりますが、任期ののち台東へ戻り、奉仕活動やリフレクソロジーの伝承を行なっています。
2017年には長年の功績が認められ、同じ時期に来台した他の外国人宣教師たちと共に台湾への帰化が認められ、中華民国の身分証を取得します。
本当に若石先生になったんですね!
スイス国籍の神父4名、中華民国の身分証取得 : Taiwan Today
参考記事
若石先生は現在は台湾東部の長濱天主堂という教会で人々にリフレクソロジーを教えたり、自立支援を行っています。
というのも、この地域は台湾の原住民や東南アジアからの移民が多く、それほど裕福ではないそうです。
人々がリフレクソロジー技術を身につけお金を稼げるように。そして、自らの足を揉むことで健康を守り、医療費に悩むことのないように。
「足つぼを広めることは人助けである」という考えだそうです。素晴らしい先生で心から尊敬します。
私はいつかこの台湾式足つぼの父にお会いしたいと思っていて、次に台湾に行くときは絶対に長濱天主堂を訪れようと思っています。
その際は必ずこのブログでレポートしますね!
まとめ
2回に分けて足つぼ・リフレクソロジーの歴史を説明してみましたがいかがでしたでしょうか。アメリカ発祥だったり、台湾に持ち込んだのがスイス人だったり、なかなか面白いでしょう?
効果を知るともっともっと足つぼが好きになるので、次回は台湾式足つぼで痛みを感じるメカニズムやその効果について書いていきたいと思います。
今日も最後まで読んでいただきありがとうございました^^