台湾式?英国式?足つぼ・リフレクソロジーの成り立ちと歴史
こんにちは、台湾式足つぼセラピスト万里子です。
「台湾式と英国式ってどう違うの?」
「足つぼって一体どこの国のもの?」
今回はお客様によく聞かれるこの疑問に、足つぼの歴史を交えて解説していきます。
まず始めに、私は「台湾式足つぼ」という名称を使っていますが、実際はツボ押しを目的とした施術ではなく、実際は抹消神経の集中する「反射区(ゾーン)」を押したりもんだり刺激する施術のことをいいます。
反射区を刺激することで関連する臓器や器官の働きを高めたり、自己免疫力や治癒力を高めることが目的です。
こういった足裏の反射区を利用した療法を学問的には「リフレクソロジー」といいます。(私がなぜ足つぼと呼んでいるのかはまた別の記事で!)
それでは、リフレクソロジーは一体どこの国で生まれたものなのか。
そのルーツを辿る前に、まず前提として、足裏を刺激する療法は世界中でかなり古い時代から存在していました。
エジプト
最古の記録といわれるものは、古代エジプトの医師のお墓から見つかった壁画。
人が足を揉み合っている絵です。
中国
約2000年前、中国に現存する最古の医学書「皇帝内径」に足を刺激することで病気を治す「観趾法(かんしほう)」が登場しています。
皇帝内径は中医学(東洋医学)の基礎となっている本で、病気の治し方や病気にならない生き方をまとめたものです。現代にも十分通じる内容でとても興味深いものなのでまた別の記事でご紹介しますね。
その後、華陀(かだ)という中国の医師が観趾法を発展させ、「足心道(そくしんどう)」を体系化させます。
日本には平安時代にこの足心道が入ってきており、指圧や鍼灸の基礎になったといわれています。
その他の地域では…
インドのアーユルヴェーダの治療法の中にも、足を刺激して心身の不調を改善する、という記述があります。
画像のように仏陀の足裏に太陽などが描かれているのは、足が大宇宙の自然(大地)と小宇宙である人間の接点と考えられていたからだそうです。
また、アメリカのネイティブ・アメリカンの間でも「足は母なる大地を踏みしめる神聖な場所」と考えられており、今でも聖なる儀式で足裏の刺激を取りいれたり、出産の痛みを和らげるために足裏をもんでいるそうです。
リフレクソロジーはアメリカ生まれ
20世紀初頭のアメリカで、世界で初めて足裏反射療法が「リフレクソロジー」という学問として成り立ちました。
アメリカの耳鼻科医ウィリアム・フィッツジェラルドが、手術中の患者がベッドに手足を押し付ける行為を観察・研究したところ、足裏をほぐすと痛みを和らげたり機能回復の効果があることがわかりました。
1917年 それらの研究をまとめた「ゾーン・セラピー」を発表し、のちのリフレクソロジーの礎となります。
フィッツジェラルドの研究をさらに発展させたのが、理学療法士ユーニス・インガム。
インガムがフィッツジェラルドのゾーンセラピーを更に研究し「フットチャート=足裏反射区図表」を作成。現在世界中で行われているリフレクソロジー、足つぼはこのフットチャートが用いられています。
1938年に出版された「足は語る」は現代の足裏反射療法の基礎となっており、「リフレクソロジー」という名称が始めて使われました。
インガム女史は「リフレクソロジーの母」と呼ばれています。
その後、インガムの弟子たちがイギリス・ドイツ・スイスなど、ヨーロッパ各地にリフレクソロジーを広めていきます。
イギリスでのリフレクソロジーの発展
インガムの弟子、ベイリーがイギリスで初めてのリフレクソロジー教育機関を設立し、数多くのリフレクソロジストを輩出します。
ベイリー式の特徴は手指(おもに親指のはら)のみを用いて優しく心地よい圧で行われ、イギリスでは長年の実績から医療やホスピスなどの緩和ケアの現場でも用いられています。
日本での英国式リフレクソロジーの普及
元CAの藤田圭子(母)と、イギリスでリフレクソロジーを学んだ藤田真規(娘)親子により、日本で「英国式リフレクソロジー」が、大きく普及しました。
英国式という名称はあくまでも商標のような感覚で、ベイリー式というわけではなく、心地よい西洋式の圧に日本人好みの痛気持ちよさを融合させた施術が特徴です。
まとめ
健康のために足裏を刺激する行為は
大昔から世界各地で行われていた
↓
20世紀初頭にアメリカで学問として体系化
↓
ヨーロッパに普及し大人気に
↓
日本に「英国式リフレクソロジー」として
アレンジされて持ち込まれる
ですが、学問として成り立つずっと昔から、足をもんだり足裏を刺激することが体に良いということが世界中のあらゆる地域で発見され、実践されてきました。これってすごいと思いませんか?
ところで、ここまでまだ「台湾式」が一切登場していません。今日の話だと近くの中国からそのまま入ってきたのかな・・・?と思いますよね。
実は違うんです!
台湾にどうやってリフレクソロジーがやってきて、日本でも世界でも人気になったのか。
これもまた面白い話なので、台湾式については次回じっくり解説したいと思います。
今日も最後まで読んでいただきありがとうございました^^